加湿装置の種類·選定·取扱と最新の省エネ比例加湿システム

摘要

加湿装置は印刷·繊維工場など産業空調（工場空調）における調湿の必要性から発展し、現在では半導体や液晶パネル工場のクリーンルームなど、高度な製造環境を要求される分野でも不可欠な設備要素である。一方、オフィスビルなど一般空調（保健空調）では、昭和45年の「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」（略称：建築物衛生法）の制定を機に広く普及しぼじめ、当時全盛のセントラル式空調ではボイラを併設している建物も多いことから蒸気スプレー式が採用されていた。以降、昭和50年代からは空調システムの小型化·個別分散化への急速な移行に合わせて、多種多様の加湿装置が開発されてきた（以下、加湿装置＝加湿器とする）。 加湿器は、蒸気式·気化式·水噴霧式の3種類の加湿方式に分類され（気化式と水噴霧式を総称して水加湿方式とも言う）、用途別には工場やオフィスビル向けの産業用·業務用加湿器、小容量の家庭用加湿器に分けられる（表1参照）。