ナノファイバーの実用化とエアフィルタへの応用技術開発

摘要

これまで1世紀もの長い期間にわたりわが国のものづくりの基盤の一端を支えてきた繊維産業において、近年中国のみでなくインド、タイ、インドネシア、台湾、トルコなどのアジア諸国でも汎用繊維の市場成長と価格低下に伴い、日本の繊維産業は高付加価値化製品へのシフトや海外生産による徹底的なコストダウンを余儀なくされている。しかしながら、日本の繊維産業は2008年時点で雇用者数68万人で付加価値額3兆4000億円（製造業全体のそれぞれ7％と3．1％）を占めてきた中堅産業であり、先進機能ファイバーの技術開発の歴史や、高度で多彩なファイバー加工技術の蓄積がある。また、高いポテンシャルを有するナノテク部材技術や高度で精密な部材加工技術の強みもある。