溶融塩系での炭素被膜の電解形成とその応用DD渡邊 裕介D同志社大院工·数理環境科学

摘要

本発表者らは、溶融塩電気化学プロセスで形成した炭素膜を、リチウムを含む溶融塩を電解質とした溶融塩キャパシタの電極として応用し、電気二重層容量とリチウムの挿入脱離反応などのファラデー反応による擬似容量を合わせると400Fg~(-1)以上の極めて高い見かけの単極比容量を示すことを見出している。しかし、金属基板が局所的に露出するなどの原因により、測定電位によっては金属基板へのリチウムの電気化学的な挿入脱離反応や基板自体の陽極溶解反応が起こる。従って、さらに耐電圧を大きくして出力密度·エネルギー密度を向上させるためには、金属基板の露出のない均一で微密な炭素被膜を形成させ、その上に電極特性に優れた炭素膜を形成させることが有効と考えられる。このような均一で緻密な炭素被膜の形成が可能となれば、キャパシタ電極としての耐電圧向上が可能となるだけでなく、高導電性、化学的安定性などの特徴から燃料電池セパレータやリチウムイオンニ次電池電極など幅広い用途への応用も期待できる。