オレフィン重合触媒の動向

摘要

1950年代に発見された不均一系の遷移金属触媒（Ziegler－Natta触媒，Pbillips触媒）はエチレンやプロピレンなどの構造が単純なオレフィンを原料としでポリオレフ　ンという新しい樹脂を生みだじた．誕生から60年を経たポ1クオレフィンは，今やその生産量が1億トン/世界·年を超える汎用プラスティックのチャンピオンとなっている．　ポリオレフインは樹脂の中で最も軽量であり，また官能基をもたないため非極性かつ化学的に安定である．さらに，これらの特長に加えて，触媒，製造プロ救ス，成形加五の各分野における技術革新により達成された高い経済性と樹脂物性の高度化/多様化が今日のポリオレフイン産業の繁栄をもたらした·本稿ではオレフィン重合触碇の開発　の歴史を簡単にまとめた後，黄近の触媒技術の発展に焦点　を当てて紹介する．あわせて，オレフィン重合触媒の将来展望についても論じる．Recent Trends in Olefin Polymerization Catalyst Development