チタン酸ナノチューブの固体酸触媒特性

摘要

チタン酸ナノチューブと類似した結晶構造を有する層状チタン化合物およびチタン酸ナノシートを比較し，それらの固体酸触媒特性について詳細に調べた．チタン酸ナノチューブ，ナノシートのいずれの試料もルイス酸点，プレンステッド酸点を有しているが，室温条件でトルエンとベンジルクロライドのFriedel-Craftsアルキル化反応を行うと，チタン酸ナノチューブの方が約10倍高い性能を示すことがわかった．チタン酸ナノチューブは，ナノシートと比較して強いルイス酸点およびプレンステッド酸点を有しており，ルイス酸点とプレンステッド酸点の両方が協奏的に機能するため室温条件で高い触媒活性を示したと考えられる．