静電粉体塗装における塗料塗着挙動と塗膜品質に及ぼす塗装条件の影響

摘要

コロナガンによる静電粉体塗装における塗着効率、塗膜面の品質と塗装条件の関係を塗装実験とコンピュータシミュレーションにより調べた。静電粉体塗装シミュレーションは離散要素法（DEM）とラージエディシミュレーション（LES）を連成して開発した。DEMは粒子径分布と帯電量分布を持っ塗料の運動軌跡を個々の塗料粒子の運動方程式にもとづいて計算し、LESは三次元乱流状態のシミュレーション法である。塗装ガンと被塗装物の間の電場はPoisson方程式を解いて推算した。シミュレーションで得られた塗装ガンからの噴流の流速や被塗装物上の塗着塗料の状態は実験結果とよく一致した。塗着効率の低下は小粒子径粒子が引き起こし、塗装条件に応じて適切な粒子径分布がある。塗装ガンへの印加電圧と風量には最適条件があり、印加電圧が高い方が塗膜の平滑さが高い。開発したシミュレーションは静電粉体塗装に関する深い基礎的理解を可能にした。