特殊鋼：その変遷と今後の夢--III．各種特殊鋼材料の変遷--1．工具鋼--（3）プラスチック金型用鋼

摘要

プラスチック金型用鋼とは、文字通りプラスチックを成形するための金型に用いられる型材である。現在用いられているプラスチック金型用鋼の位置付けを図1に示す。古くはSC、SCM系の材料が主に用いられていたが、現在では33HRCプリハードン鋼のP20改良鋼、40HRCプリハードン鋼のNi－Al－Cu時効硬化鋼、50HRC焼人焼戻し鋼のSUS420J2改良鋼の3種類が主流となっている。市場のニーズに伴い、この3種類が主流となるに至った変遷について以下に記す。