最近の伸線2次加工技術の動向：III.伸線加工用潤滑剤－2.伸線用前処理剤及び乾式潤滑剤について

摘要

伸線加工は金属の塑性変形中でも苛酷な加工法であり、ダイスを用いて線径の太い線を線径の細い線に引き抜き加工するものである。 この時ダイスと引き抜かれる金属線表面との接触面には大きな圧力がかかり、ダイスと伸線材は高温となる。 鋼線の引き抜きではダイスと線材間の接触圧は数100～数1,000Mpaに接触面温度も200～400℃になると言われている。 こうした摩擦状態での引き抜き力を低減させ線材とダイス間に凝着状態のないスムーズな伸線加工が出来るように伸線加工用助剤として各種前処理剤及び乾式、湿式潤滑剤が使用される。 又それら助剤は、伸線加工方法及び川下の加工品の要求特性により選定される。 以下に伸線用前処理剤及び乾式潤滑剤について述べる。