利用者が複数のVPNに多重帰属できる階層化VPNアーキテクチャ

摘要

我々はこれまで,利用者が,複数のVPNに対して同時に接続(多重帰属)できる,新しいVPNアーキテクチャの提案を行った[1]。 既存のVPN技術では,利用者が単一のVPNに接続することを前提としている。 しかし,利用者が複数のVPNに多重帰属できるVPNサーゼスを実現するためには,利用者の要求に応じてVPNへの接続状態を動的に変更する機能,利用者ごとにVPNへの接続の可否を判断する機能など,さまざまな機能が必要となる。 本稿では,利用者が複数のVPNに多重帰属できるVPNアーキテクチャを, 3種類のネットワークレベル(物理ネットワークレベル,論理ネットワークレベル,ユーザネットワークレベル)によって階層的に構成する方法を提案する。 まず,これらそれぞれのネットワークレベルに要求される機能を整理する。 さらに,これら3種類のネットワークレベルを,レイヤ2,レイヤ3またはレイヤ4のネットワーク技術で実現した場合の利点および欠点を評価するために必要となる,スケーうどリテイ,通信速度など,さまざまな評価項目について議論する。