Ku帯固定衛星業務でのサテライトダイバーシティ方式装置実測特性と時間遅延ダイバーシティ(TDD)方式への発展

摘要

デジタルTVの衛星再送信方式で使用される10GHzを越えるKu帯などの周波数帯では、降雨による信号減衰、アンテナ着雪による回線劣化が懸念される。これまで種々検討されてきており、この回線劣化対策として各種ダイバーシティが有効と考えられる。ここでは、サテライトダイバーシティ（Sat．D）方式を実現するための具体的なSat．D装置を試作した。複数衛星受信に有効で、冬季降雪減衰も回避できる無着化LuneQアンテナを使用し、JSAT-3，BS衛星の下り回線信号減衰特性を約2年間測定した特性結果を得た。この結果、約1桁の下り回線の不稼働率改善が実測された。この実測値を、2信号を個別に測定した減衰特性を使用して、理論的なSat．D方式特性を計算し比較を行っている。さらに、回線不稼働率を改善するために、Sat．D方式と時間遅延ダイバーシティ（TDD）方式を併用したときの改善効果を計算し、単独使用に比較して併用効果があることを示している。