ヘリコプタ障害物探知用76GHz帯小電力ミリ波レーダにおける送電線探知性能向上のためのアンテナ偏波特性検討

摘要

ヘリコプタの障害物探知を目的とする76GHz帯小電力ミリ波レーダの研究開発について，送電線探知性能向上のために，代表的な送電線RCSレーダ反射断面積（Radar cross section，RCS）の偏波特性を測定取得する．これは，これまで公表されているミリ波帯送電線RCS特性の測定および解析結果に基づき，新たに76GHz帯において，小電力ミリ波レーダに適したアンテナ偏波特性の検討を行うものである．はじめに，送電線RCS測定評価に適用する，ダイレクトコンバージョンFMCW方式の76GHz帯小電力ミリ波レーダシステムの概要を述べる．次に，電波暗室内において実施するRCS測定評価系の概要および2種の送電線規格を示す．さらに，測定した送電線RCS特性について議論を行う．基本的な送電線RCS特性については，これまでの報告に従ったRCS特性であった．一方，一般に垂直偏波に比べてRCSが低いとされている水平偏波の場合においても，垂直偏波と比較して同等となる場合があることを確認した．