2周波CW方式に基づく列車速度推定法と鉄道環境における基礎実験

摘要

本稿では，車輪の空転や滑走により誤差を生じない列車速度の測定法として，2周波CW方式に基づく推定法を提案し，レーダを列車に搭載した鉄道環境下における基礎実験結果について報告する．2周波CW方式に基づく三つの速度推定法は，GPSによる速度計測で課題となる上方に遮蔽物のある環境においても，他の区間と同等の観測精度で列車速度推定結果が得られることを実験的に示す．非線形最小二乗法（1変数）による速度推定結果は，レーダ設置高度の変化のない区間においては，三つの推定法のなかで最も推定速度の標準偏差が小さく，非線形最小二乗法（2変数）による速度推定結果は，GPS速度計とのバイアス誤差が小さいことを鉄道環境における基礎実験結果より示す．