研削焼けの非破壊検出技術の開発

摘要

私がこの研究テーマに関わったきっかけは，既にこのテーマに取り組んでいた先輩社員2人のチームに3人目のメンバとして加えて頂いたことでしたが，数値シミュレーションに関する研究で学位をとったばかりであった私にとっては全く違う分野，未知の世界であり，基礎から身につけなければいけない知識が多く勉強に苦労したことを覚えております．それまでの先輩社員の取り組みによって，渦電流センサを用いる方法が有望であること，および渦電流センサによって研削焼けを検出するメカニズムが明確になっており（研削熱によって工作物表層部の金属組織が変化し，導電率あるいは透磁率が変化するため），研削焼け検出装置のプロトタイプ機が完成間近でした．後は実証試験を繰り返して実際の生産ラインの環境下で測定を行うための課題の洗い出しと，それら課題の対策案を考えて適用していくことが必要でした．