防音壁の基礎知識と要求される性能

摘要

防音壁の設置は，騒音対策手法の中で最も実質的に効果を得られる手段である。既に様々な個所に防音壁が設置され，騒音対策に寄与している。例えば，高速道路や一般道路の沿道，新幹線や在来線鉄道沿線，空港の周辺，工場事業場の周辺，建設·解体工事の外周部など様々な現場で見つけることができる。防音壁を設計する際には，設置効果の算定を行うことになるが，技術者は防音壁についての基礎的な知識を備えている必要がある。さらに，防音壁の設計方法やその備えるべき性能，付加価値については長年にわたる研究成果の蓄積がある。本特集では防音壁の一般的な性能から，用途や対象に応じた設計方法や事例（先端改良型や能動制御型を含む）が述べられる。この特集にあたり，本稿では防音壁についての基礎知識と要求事項についての概要を述べる。