大規模小売店舗立地法に係る騒音評価·予測法

摘要

平成12年6月1日に施行された「大規模小売店舗立地法（大店立地法）」では，百貨店やスーパーマーケットなどの大規模な小売店舗を建設する場合，設置者に対して周辺地域における良好な環境保全のための配慮を求めている。 その中の一つの項目として，営業に伴って発生される騒音についても予測·評価を行い，問題となる場合には適切な措置が要求されることとなった。 この法律で対象としている騒音の種輯，騒音予測·評価方法の概要については「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針」（平成11年6月30日，通産省告示第375号）に示されているとおりで，さらにこの指針を補う目的で，具体的な予測計算の例が「大規模小売店舗から発生する騒音予測の手引き」（平成12年9月，通産省産業政策局流通産業課）として公表されている。 筆者は，経済産業省（当時，通商産業省）におけるこの法律の制定や指針·手引きの作成のための委員会に参加し，騒音に関する技術的な点について検討を行った。 ここでは騒音の評価および予測計算法に重点を置いて，これらの指針·手引きの内容について概要を述べる。