転機を迎えるエネルギー市場 （その7／最終回）気候変動問題と原子力の役割

摘要

パリ協定では，地球の平均気温上昇を産業革命前に比べ2度未満に抑え，さらに1.5度への抑制に向けて努力する国際目標が定められた。この目標を達成するための厳しい環境制約下では，温室効果ガスを排出せず経済効率的なベースロード電源である原子力発電の役割が重要になること等が国際機関等の見通しで示されている。気候変動対策に資する原子力技術の発展には，イノベーションや市場への導入を促す制度環境の基盤整備とともに，長期的な気候変動対策の中で，原子力がどの程度の役割を果たすべきか，今後とも議論を深めることが不可欠でると考えられる。