包括的核実験禁止条約（CTBT）及び兵器用核分裂性物質生産禁止条約（FMCT）

摘要

NPTは，核不拡散及び核軍縮の双方を追求しており，NPTの下で大多数の国が核兵器保有を放棄する義務を負う一方で，核兵器国は，NPTの核軍縮義務の下で，核兵器廃絶に向けたコミットメントを表明してきた。包括的核実験禁止条約（CTBT）及び兵器用核分裂性物質生産禁止条約（FMCT）は，このようなNPTを基礎とする核不拡散·核軍縮体制を補完し，強化するための法的枠組みであり，その重要性は，NPT運用検討プロセスでも確認されてきた。また，これらの法的枠組みはNPT 非締結国（インド，イスラエル，パキスタン）を国際的な核軍縮·不拡散体制に取り込んでいくうえでの重要な受け皿となり得る。