水中に置かれた水平な管群内の相変化物質の融解を伴う複合対流熱伝達－2本の直列円管の場合

摘要

夏期の昼間における空調需要の増加などにより，電力負荷ピークは年々先鋭化している.一方，電力の安定供給のため，ピーク負荷に合わせた発電施設が必要となり，こうした需給格差を小さくするため負荷の平準化が求められており，ピーク値抑制策として夜間電力を利用した各種システムが検討されている．その中で相変化物質（PhaseChang Material：以下PCMと略記する）の融解，凝固に伴う大きな潜熱の吸収，放出を利用する潜熱蓄熱は，蓄熱空間の縮小化，一億温度の良質なエネルギなどの利点があり，特に氷を用いる氷蓄熱システムは，経済性，安全性，環境への影響など，蓄熱材としてのPCMに求められる条件を十分満たしており，熱媒体としての水と併用する形で，現在様々なシステムが提案され実用化に至っている.