硫酸水溶液中のAu（111）電極表面におけるAu原子の拡散

摘要

0.1M硫酸水溶液中のAu（111）電極において、電極表面全体が酸化·還元される電位領域＋0～＋l.37Vvs.Ag/AgClでごく短時間のORC処理を行うことによって、電極表面上に穴や島を形成させた。 それらの分布や形状について、ORC処理前後のSTM像から定量化したところ、ステップ上段には穴が、ステップの下段には島が見られず、同一テラスにおけるそれぞれの総面積は等しくならなかった。 そのことから、Au原子の表面拡散にはステップ下段方向から上段方向へ拡散するというシュワーベル効果があることが示唆される。