冷凍プラントの設計：第6回 機器編（1）圧縮機

摘要

現在，一般的な冷凍装置としては蒸気圧縮式と吸収式の2種類があり，数量的に圧縮式が非常に多い．圧縮式冷凍機はさらに容積型と速度型に分けられる．容積型は，圧縮空間内に閉じ込められた冷媒ガスを，動力によりその容積を小さくすることで圧縮し，圧力を高めて圧送する．一方，速度型は，遠心ポンプのように羽根車の回転によって生ずる遠心力で圧縮を行っでいる．また，圧縮方式（圧縮機の作動機構）により分類すると，大別して，往復式と回転式に分けられる．近年は高効率化小型·軽量化，低振動·低騒音化，容量制御特性における利点から回転式化に増えており，ロータリー式，スクロール式，スクリュー式などに分けられる．圧縮機を構造的に見ると，開放形，半密閉形，全密閉形に分けることができる．開放形は別置きの駆動源により駆動されるため，ケーシングの軸貫通部から外部へのガス漏れを防ぐための軸封装置を必要とする．駆動源としては，電動機や各種原動機を用いることができる．また，半密閉形，全密閉形は，電動機と圧縮機構部が一つの容器内に格納されており，軸封装置が不要であり，軸封部からの冷媒漏れのおそれがない．半密閉形はハウジング各部がボルト締結されており，分解可能である．全密閉形は容器が溶接されており，分解できないなどの特徴がある．ここでは一般的な圧縮機の構造，仕様と選定方法などを示す．