樹脂被覆ライニングによる二次覆工の省略－下水道トンネルへのHDライニングの全線適用事例

摘要

伊丹市の雨水は、東部は猪名川、西部は武庫川、南部は合流式下水道、中央部は金岡雨水幹線から庄下川へ排水する計画になっている。 このうち、猪名川第三排水区内県道米谷昆陽尼崎線沿線において、集中豪雨時に既設の排水路では排水流下能力が不足しているため、付近一帯が浸水することが確認されている。 当工事は、集中豪雨時の排水流下能力を確保し、将来にわたり浸水災害が発生しないよう安全な雨水排水を実現する為、金剛非水路を最下流とするバイパス管渠を泥土庄式シールド工法により築造する工事である。 所定の排水流下能力を確保した上で、止水性や防食性を満足し、いかに工事費を低減するかを課題にセグメントの仕様を比較検討した結果、HDライニング（High Durability Tunnel Lining：高耐久性トンネル覆工）による内面樹脂被膜（パネルタイプ）のセグメントを一次覆工全線にわたり採用し、二次覆工省略型の下水道管渠を築造している。 ここでは、採用までの経緯とHDライニングの特徴、施工実績を報告する。