建設機械の変遷－人力から動力へ、長い戦争の影響を受けた数寄な建設機械発展史

摘要

私は大正生まれ、したがって戦争前に一般に行われていた土木作業や建築はこの目で見ており、当時の多くの土木作業員のたくましさに感心すると同時に、ときにはなにか非人間的な労働のあり方に目を背けたくなった記憶が残っている。 自宅の在ったすぐ近くを現在の東京都心環状道路·明治通りをちょうど作っている最中で、もっこ「持ち籠（こ）の意」に盛られた土砂を2人の人夫が天秤棒で担ぎ、それをトロッコに移し、これまた使い古されて曲がった細い2本のレールの上を押して、遠く離れた盛土ヶ所まで運搬していた毎日の作業であった。