特徴量の差分を用いた感情表現音声加工方式の改善と音質評価

摘要

感情のない平静音声に感情表現を付与する音声加工方式を検討している．任意話者·任意発話内容の平静音声を対象とし，本人の感情音声を利用できなくても，別の話者の感情·平静音声のスペクトルと基本周波数の特徴量の差分を利用することで，所望の感情表現の音声に加工できる方式を考案してきた．これらの方式では，音質劣化を防ぎながら，所望の感情表現を付与することが課題であった．そこで，別話者の感情·平静音声の特徴量の差分をとる際の，対象とするスペクトルの特徴量，時間対応処理，差分の平滑化処理を見直し，音質の改善を図る方法を提案する．この提案法の処理の内容と，加工音声の試聴結果を報告する．