キヤノンEF35mm F2

摘要

標準ズームレンズと呼ばれるレンズがまだなかった時代、50mmレンズの約2倍の撮影面積をもつ35mmレンズはスナップ写真の標準レンズと呼ばれていた。50mmも35mmも常用レンズとして魅力的なレンズであるが、実感での肉眼視野は35mmレンズの画角くらいであると筆者は思っている。 35mレンズは絞りやカメラアングルを工夫することで、さまざまな描写効果を得ることのできる使い勝手のよいレンズだと思うのである。筆者にとってキヤノンEF35mmF2は、とにかく最少の機材で撮影を行おうというときに使う定番レンズであるが、ズームレンズの使用頻度の増加に比例して出番が減ってきているレンズでもあった。 祭や民俗芸能の取材現場では、まだまだ中判ポジフィルムの需要が多く、筆者にとって35mm判機材は中判カメラのサブ機としての性格も強い。