吸着熱交換器を用いたバッチ式除湿操作－除湿挙動と吸着·脱着工程の切換えに関する考察

摘要

通常のデシカントロータでは，ほぼ断熱除湿となるため，特に再生温度が低い場合に十分な除湿能力が得られ難い．そこで，吸着剤を熱交換器に担持し，直接冷却することによって等温除湿に近づけ，除湿性能を向上させる仕組みが提案·研究されている[1,2]．また，ヒートポンプの凝縮·蒸発熱交換器への吸着剤担持は，熱授受の点で合理的であり，また等温除湿を上回る冷却効果が得られることから既に商品化に至っている[3]．吸着熱交換器は一定時間毎に吸着/再生過程を繰り返すことから空気流路の切換操作が必要となる．このバッチ除湿操作では，刻々と吸着剤状態が変化するため給気状態にも経時変化を生じる．特に過程切替直後の出口空気状態変化は著しい．よって本研究では，吸脱着過程の間に予冷/予熱過程を導入することで給気温湿度の変動幅を縮小することを試みた．あわせて空気流路切替のタイミングに関して考察を行ったので報告する．