太陽光集熱器を用いたデシカント空調システムに関する実験研究－第1報：システムの提案と特性解析

摘要

近年の地球温暖化問題の高まり，またエネルギー資源の枯渇という観点から，より一層の省エネルギー技術の開発が求められていると同時に，再生可能なエネルギーの活用が改めて注目されている．そのような立場から，われわれはCO{sub}2 50%削減を目標に，改めて太陽エネルギーの利用についての取り組みに着手した．すなわち，家庭で消費されるエネルギーの約6割が暖冷房と給湯であることに着目して，太陽エネルギーを熱エネルギーとして利用することを考えている．そのために開発した空気式太陽光集熱器「ソーラースパンドレル」は，そのまま暖房あるいは換気空気の予熱という用途や，ヒートポンプ給湯機の補助熱源 (蒸発器の空気を予熱しCOPを向上させると同時に，寒冷地における除霜運転をさけて実質のCOPを向上させることができる) などさまざまな用途への応用を検討している．この報告では空気式太陽光集熱器で得られる高温空気をデシカントロータの再生熱源として使用するデシカント空調への応用について報告をしたい．