生産加工技術50年の変遷：50年の歩みを踏まえた,今後に望まれる生産加工技術への取り組み

摘要

人間社会を維持，発展させるために必要，不可欠な「物」を産み出すのが生産技術であり，産業界のすべてで重要である。 したがって，大きく「離散系」と「プロセス系」に分けられるものの，生産技術の内容は産業によって異なり，多岐多様に亘っている。 その中で，物を構成する部品を創出するのが「生産加工技術」と解釈するのが一般的であろう。 さて，生産加工技術と限定しても，依然として関連する産業は広範囲に亘ることになるが，部品を創出するとなれば，技術の核となるのは工作機械である。 そこで，これまでの50年の歩みを踏まえて，今後の生産加工技術を論じるとなれば，工作機械を主体にして，また，その発展の経緯を時系列的にまとめるのがわかりやすいであろう。 したがって，図1および2には，我が国工作機械産業の歩み，ならびに工作機械技術の発展の中での特筆すべき事項を時系列的に示してある。 その一方，我が国の「物つくり立国」なる標語を具現化している代表は自動車産業であり，工作機械の最大手のユーザーである。 そこで，自動車産業の動向も参考までに図1に付加してある。 なお，そのような発展の時系列の中で，各分野の動向については，本号の関連記事をご覧頂きたい。