「品質経営」の現状と今後/Part I－めざせ！「経営品質大国」：“モノの質”から“経営の質”を問う時代の到来

摘要

激変する市場環境の中で、長年、日本が世界に誇ってきた品質体制が揺らいでいる。 その背後には、収益を求めてよりタイトな生産体制のもと、本来ならじっくり取り組まなければならない品質管理がなおざりにされ始めていることや、作業者の慣れ、心の緩みなどもあろう。 しかし、忘れてはならないことは、高品質の製品を提供することで顧客満足を得ることが、品質システムの基本であることだ。 そのためには品質システムだけでなく、環境、労働安全、会計、危機管理といった諸々のマネジメントシステムを有機的に結合し、トータルな経営の質の向上を図っていくことが求められている。PartⅡでは、品質管理および品質経営の向上に力点を置いて取り組んでいる3社の事例を紹介した。