二酸化炭素分離貯留技術：CCSへの期待と展望－低炭素社会へのエネルギー技術·新たな柱

摘要

地球温暖化問題は，各国首脳マターとしていまや国際社会の中心的課題となり，ドイツにおけるサミットに引き続き，2012年の北海道·洞爺湖におけるサミットでも主題となった．そもそも，C0_2に代表される温室効果ガスの排出削減を国際的に取り組むべく，1997年気候変動枠組条約第3回締約国会合（COP3）が京都で開催され，先進各国は，温室効果ガスの大幅削減（1990年比2010年平均目標：日本は-6％，EUは-8％，米国は-7％ほか）を約束した．しかしながら，世界のCO_2排出量は急激に増加しており，20年前の約1.3倍となっている．とりわけ，中国·インドをはじめ急速に発展するアジアでの増加が顕著であり，今後の地球温暖化対策の鍵であるといわれている．一方，わが国においては，東日本大震災による原子力発電所の停止などにより，既に批准している京都議定書遵守の対応においてさえ困難な局面に直面し，海外か1らの排出枠買取などによりようやく達成の見込みがついた．