手話映像を用いた災害時の緊急案内の画質に関する検討－時間の経過に基づいた空間／時間解像度の特性

摘要

地震や火災などの災害が発生した時には，防災無線やテレビ放送，電話や電子メールなどを用いて緊急性を伝える．しかしながら，日本語の文章が苦手なろう者は情報を理解することが容易ではないと考えられる．本研究では，ろう者の母語である手話の映像を用いた情報伝達システムを検討する．課題として，災害時は平常時と同様の通信が困難であるため，データ容量が少ないことが必要である．同時に，受信や発信が容易でなければ，情報の遅れや情報が行き渡らないことが発生する．また，災害発生からの時間の経過によって許容できるデータ容量は異なると考えられる．このことから，まず初めに最も緊急性が高い時の適切な時間／空間解像度を明らかにする．