身体動作の引き込みに着目した授業関心度評価手法

摘要

本提案手法では，音声による身体動作の引き込み現象に着目した．コミュニケーション場面において，相互作用者の一方の音声のリズムに合わせてもう一方の身振りや表情あるいは周辺言語が同期する現象が知られている．このような現象は引き込み現象と呼ばれる．成人同士の会話においては，話し手の音声に対して聞き手のうなずく動作が0.7-1.4sec後に生じることが報告されている．授業においても，受講者が教員の発話を聞いている場合，教員の音声に対する受講者の身体動作の引き込み現象が生じる可能性がある．そこで，本研究では，教員の音声と受講者の身体動作の関係から授業への関心度を定量的に評価できる可能性について検討する．身体動作を定量的に解析する手法としては，モーションキャプチャによる評価や熟練した評価者によるコーディングが行われるのが一般的である．しかしながら本研究は多数の受講者がいる授業を対象としているため，このような手法は適用できない．そこで，撮影されたビデオ画像の輝度値変化をもとに受講者の身体動作の大きさを評価する．