OFCDM MIMO多重におけるパイロットチャネル推定·ランキングを用いるシンボルレプリカ候補削減型QR分解－MLDの構成

摘要

本稿では，OFCDM(Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)のMIMO多重において，各送信アンテナ固有の直交パイロットチャネルを用いたチャネル推定値をQR分解し，TTI(Transmission Time Interval)毎の受信SINR(Signal-to-Interference plus Noise power Ratio)で送信信号のランキングを行うQR分解を用いるシンボルレプリカ候補削減型MLD(Maximum Likelihood Detection)の構成（以下，QR分解－MLD）を提案した．本提案の構成では，パイロットチャネルを用いて推定したTTI毎の受信SINR値に基づいて送信信号のランキングを行い，パイロットによるチャネル推定値で生成されるチャネル行列をQR分解して上三角化し，受信SINRの大きな送信信号から逐次的にシンボルレプリカ候補の数を削減しつつMLDを行う．シミュレーション評価により，パイロットチャネルを用いるQR分解－MLD法を適用することにより，100-MHz周波数帯域幅を想定したOFCDMアクセス（拡散率8の8コード多重）の4送受信アンテナブランチのMIMO多重において，1Gbpsのスループットを受信アンテナ当たりの平均受信E{sub}b/N{sub}0が約10dBで実現できることを示した．