レートレス符号を用いたパケット到達遅延保証方式

摘要

コンピュータからI/Oデバイスを分離し，CPUとI/Oデバイスを汎用イーサネットを用いて接続することでI/Oデバイスの管理を柔軟に行う技術が実用化されている．今後汎用イーサネットとして無線イーサネットを用いることで，これらの技術の適用領域を拡大できることが期待される．ここで無線イーサネットを用いるシステムでは，高いパケットロス率により再送が多重に発生し，CPU-I/O間通信のプロトコルが規定するタイムアウト制限が満たせないという課題がある．本稿では再送を行わずにロスレス通信を実現するレートレス符号を用いたイーサネット転送方式を提案する．本方式ではパケット到達のタイムアウト時間をシステムに与えることで，その制限を満たすパラメータ設定を自動で行うことを目指す．そこで自動設定を実現するためのシステムのモデル化と，それを用いた解析及びジミュレーション結果について述べる．