無線メッシュ網における仮想トランクノードを利用したVLANスパニングツリー構築法

摘要

筆者らは地域のニーズに即した情報を配信するローカルコミュニティ網のインフラ技術として，無線メッシュ綱に着目している．無線メッシュ網ではノード間リンクの切断に対する経路再構築を迅速に行うため，網内の複数のスパニングツリー（以下ST）にVLANを設定し，MACアドレスの学習と組み合わせることで経路制御を行う手法が有効であると考える．ただし，レイヤ2スイッチが同時に扱えるVLANIDの数は一般に限られている．そのため，このアプローチではVLANを設定するSTを少数に抑え，これを全ノードで共有する手法を採る必要がある．使用するSTの数を絞ることで経路が非効率にならないよう，網全体のトポロジーを考慮して効率的にSTを構築することが重要である．本稿では有線網で提案されている仮想トランクノードの概念を無線メッシュ網に適用し，この目的に沿ったSTの構築を行う方法を提案する．