タイのアルミニウム産業の現状と今後

摘要

どの新興国もそうだが，アルミニウムに関連する公式統計がない。あっても信用できないケースが多い。タイにもそれがなく，唯一，手掛かりとなるのは通関実績だ。それも整理されたものではないので，使途に応じて独自のノウハウを使って加工しかナればならない。今回，タイのアルミ産業の輪郭を把握するために少し手を加えた数値を表1に示す。昨年，タイは20万トンのアルミ新地金，24万トンの薪塊合金を輸入した。新塊合金地金には，例えばアルミホイール用に使う鋳物用合金地金の他に，押出用ビレット，圧延用スラブ等も含まれる。新地金，新塊合金地金の輸入量合計は44万トン。日本の場合は，昨年，新地金190万トン，新塊合金35万トンの合計225万トンを世界各国から輸入した。