超断熱材のセメントプラントでの使用実績

摘要

セメント産業における地球温暖化対策の取組については，2009年～2010年に省エネ設備の普及促進（電力エネルギー削減）と，エネルギー代替廃棄物の使用拡大（熱エネルギーの削減）による設備投資がなされ，大幅なエネルギー原単位，CO2排出量削減が達成されている1）。一方で，セメント製造の熱エネルギーの収支をみると，入熱に対する排エネルギー比率は概ね20％であり，排ガス持ち去り熟，クリンカー持ち去り熱合計12％を差し引くと，その他8％である1）。これは，耐火物炉壁の放散熱量に起因するものと推定され，今回報告する，AGCセラミックス㈱，AGCブライブリコ㈱が共同開発した超断熱材を炉壁に採用することによりエネルギーロスの大幅な低減効果が期待できる。