代表的な耐火物の静的·疲労特性（耐火物の長期的破壊の研究－2－）

摘要

鉄鋼製造窯炉の内張り耐火物の損耗は主に溶鉄による溶損と温度変化する時に発生する応力により生じる。溶損については従来から研究されており，また単純な応力破壊についてもかなり理解が進んでいる。しかし，実際には耐火物の強度は長期間の使用に伴って低下すると考えられ，単純な破壊理論では実際に観察される破壊性状を明快に説明することは難しい0もし，長期使用下における耐火物の損傷機構を明らかにし，その予測手法を確立することができれば，耐火物を廃棄するか否かの判断をより合理的に行うことができ，本来の寿命を発揮せしめることができると考えられる。その第一歩として，応力変動下での強度特性，すなわち，耐火物の疲労特性を明確にすることが必要であると著者らは考えている。