著者らは,UNITECR2003において,The Development of the Nano Structural MatrixをNano-Tech.Refractories-1として発表した。そこでは,耐火物を構成する個々の粒子の熱膨張に対する応力緩和のために,新しい領域のナノ構造マトリックスの開発を提起した。耐火物の物性は,マトリックスに新しくナノ構造マトリックスの機能を付与することで大きく変化し,耐熱衝撃性だけでなく,耐食性も大幅に改善し,従来,相反していた耐熱衝撃性と耐食性のベクトルを同一方向に向けることができた。最初に著者らは,脱炭プロセスである転炉を始めとする鉄鋼プロセスから,可能な限り黒鉛を削減することから試みた。ナノ粒子としては,比表面積が大きく,多様な形態をもつ,カーボンブラックを選択した。さらにカーボンの弱点である耐酸化性を補強するため,誘導場燃焼合成法によって,ハイブリッド·グラファイトブラック(HybridGraphite Black:HGB)を開発し,有力なシーズとした。その後,上述の発表報文が関係方面から注目されたこともあって,我々はナノ耐火物に共鳴する人々と共にUNITECR2003~UNITECR2011に至る次の発表を準備してきた。
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