Al-Si-C系複合炭化物の焼結と機械的特性

摘要

これまでAl_4SiC_4およびAl_44Si_2C_5の結晶学的パラメータが井上らによって推定された。しかしながら，Al-Si-C系複合材料はその合成から応用に至るまでまだ初期の段階にあると言える。現在までのところ，山口と井上らは，高温での固相反応を利用してAl_4SiC_4を合成した。はじめに，製鋼用のMgO-CやAl_2O_3-Cといった炭素含有耐火物に対するAl_4SiC_4の酸化防止剤としての挙動が研究された。特に，空気中や還元雰囲気（COガス雰囲気）中における緻密なAl_4SiC_4の表面の酸化保護層の形成が調べられた。さらに，井上らはPECS（Pulse Electric Current Sintering：パルス通電焼結）技術で作製された緻密なAl_4SiC_4の電気抵抗を測定した。しかしながら，現在までのところPECS技術によって作製されたAl-Si-C系複合炭化物の機械的特性は明らかにされていない。