ガラス溶解プロセスにおけるCAE技術活用

摘要

ガラス製造の歴史は古く，紀元前4000年以前に，古代文明で二酸化ケイ素（シリカ）の表面を融かして作成したビーズが始まりだと考えられているl）。古代においては，砂，珪石，ソーダ灰，石灰などの原料を1200℃以上の高温で溶融し，冷却，固化するというプロセスで製造されていたが，ガラス溶解の燃料として木材を使用していたため，ガラス工房は森に置かれ，その森の木を燃やし尽くしたら次の森を探すというように転々と移動していた。現在では，燃料として化石燃料や電力が使用されており，1856年にF．シーメンスらにより特許取得された，蓄熱方式と呼ぼれる熱交換タイプの溶解窯が一般的である。図1にこの方式の填ガラス窯の概略図を示す。