廃棄物溶融炉用Cr_2O_3含有耐火物侵食試験により得られたスラグおよび試験後耐火物かのCr~(6+)の溶出

摘要

廃棄物溶融炉で使用されるCr_2O_3含有耐火物（Cr_2O_3含有量12-81％）を用い，スラグ塩基度を変化させて，回転侵食試験を行い，得られた水冷スラグ，試験後耐火物および耐火物に付着したスラグの溶出試験を行った。Cr_2O_3含有量は水冷スラグ，付着スラグとノも，耐火物中Cr_2O_3含有量の増加とともに増加する傾向が見られ，それぞれ最大で10％，22%となった。環境庁告示第46号による溶出試験により，Cr~（6+）溶出濃度は水冷スラグ，付着スラグとも耐火物中Cr_2O_3含有量ならびにスラグ塩基度の増加とともに増加した。スラグの主要成分であるSi，Caの溶出もCr~（6+）の溶出と同じ傾向を示じた。水冷スラグは，いずれの場合も環境基準を超えなかったが，付着スラグの場合，Cr_2O_3含有量が30％以上で環境基準濃度を超えた。試験後耐火物の表面付近からも高濃度のCr~(6+)の溶出が見られた。スラグ塩基皮が1.2でCr_2O_3含有量が62％の耐火物からスラグ冷却水，水冷スラグ，付着スラグに移行したT-Cr量を試算したところ，それぞれ0.06％，81％，19％であった。