熱硬化性樹脂の高圧含浸試験

摘要

我々は，含浸のメカニズムと含浸された含浸物を目視で確認できるように，カーボン材料を供試材として，フェノール樹脂およびフラン系変性樹脂4種の熟硬化性樹脂を含浸した。その結果，フェノール樹脂は低気孔率化に，またフラン系変性樹脂は強度発現に有効であることがわかったが，含浸による特性向上の効果は，樹脂の不揮発分が高い方が有効であった。また含浸された樹脂は，顕微鏡観察により供試材の気孔内で確認でき，樹脂は熱処理による発泡現象は認められないものの，炭化収縮により内壁から一部が剥離した状態で存在していることが確認された。 含浸効果が良好であったフェノール樹脂BをSGプレートに，98MPaで合浸したところ，含浸時の加圧保持時間は30分で含浸率が飽和し，また現在実施しているタールピッチより曲げ強さが高い借が得られた。