中国鋼材値下げ

摘要

一時は昨年の2倍以上になっていた中国の鋼材価格が、今年3月中旬以降20％以上も値下がりしている。 これは経済過熱抑制を目的とした金融引き締め政策が効果を見せ始めたものと見られている。 中国の鋼材価格は昨年初め以来大幅に値上がりし、今年3月上旬には前年同期比で1トンたり1,000元（約1万3,000円）以上になっていた。この結果工業製品の生産やメーカーの経営を圧迫する一方で、鉄鋼メーカーの投資熱をあおり、今年1-2月2ヶ月間の鉄鋼業全体の投資額は前年同期比202％増という驚異的な数字になった。 さらに原料不足から価格が高騰し、鉄鉱石は200％増、鉄スクラップが50％増、コークスが40％増となり、鋼材価格を一層押し上げる悪循環となった。 そこで中国政府は金融引締め政策を推し進め、無計画な投資を停止させた。 またドル高や主要原材料の値下がりといった要因が重なり、鋼材価格は一気に値下げへと転じた。 全国22都市で3月中旬から6週間続けて値下がりしている。