筋骨格系組織の動的な生体力学的特性の計測手法－動的粘弾性測定とアコースティック·エミッション法

摘要

身体における骨，腱，靭帯，および軟骨といった筋骨格系組織は，身体の支持や筋力の伝達などの役割を担っている．そのため，それらの組織は機械的負荷に対して極めて高い抵抗を有している．しかしながら，交通事故やスポーツ事故での過大な負荷や，過度な運動や病理的な組織の劣化により微視損傷が蓄積することで，致命的な破壊に至るリスクが増加する．例えば，激しい運動を日常的に繰り返すスポーツ選手や，高齢社会の現代で増加している骨粗鬆症患者においては，疲労骨折が生じやすくなる．一方で，スポーツ事故による下肢の腱および靭帯の傷害もまた多く報告されている．