無線センサネットワークシステムにおける分散化フィルタリング機構に関する一考察

摘要

近年、デジタル情報の爆発的な増加に対し、それを支える情報化社会のIT基盤の一つとして、無線センサネットワークシステムが着目されている。無線センサネットワークシステムでは、多量のセンサからのデータを効率的に、収集、整理、管理、利用することが必要となる。センサの技術的な進歩は急速であるが、一方で設置されるセンサ数、収集されるデータ量の爆発的増加に対し、センサノードには未だに、電力やバンド幅、メモリなどの物理的な制限が存在している。高効率な無線センサネットワークシステムの実現を目指し、収集されたデータのJoin処理におけるセンサノードの転送量削減や、特定のノードへの過負荷を避ける効率的なルーティングなどの研究がされてきている。本研究では、無線センサネットワーク上のデータ転送量を削減するアルゴリズムとして提案されたContinuous Join Filter機構（CIF）をとりあげ、CIFのフィルタリング情報変更処理をベースステーション上からセンサノード上分散化することによって得られる転送量削減効果について考察する。