[特別招待講演］高臨場感通信のための次世代映像符号化

摘要

本研究は、実物と見分けの付かない究極の高画質映像（ナチュラルクオリティ映像と呼ぶ）を用いた高臨場感通信に関する検討の一環ともて行われたものである。ナチュラルクオリティ映像を実現するためには、時間解像度、空間解像度、ビット深度、色再現性の観点から映像の表現能力を高める必要がある。しかし、ナチュラルクオリティ映像に要求される高い表現能力は、データ量の爆発的な増大を招き、その伝送·蓄積を困難にしていた。そこで、筆者らは、ナチュラルクオリティ映像の高画質を保持しつつ、そのデータ量を圧縮する効率的な符号化技術について検討してきた。本稿では、ナチュラルクオリティ映像に対する符号化技術として、時間解像度を高めた「高フレームレート映像」、ビット深度を高めた「高ビット深度映像」、空間解像度を高めた「高精細映像」、各々に対する検討結果を概観する。