指定形状多層プリント基板レイアウト設計のための矩形双対グラフ構成法

摘要

プリント基板設計システムに対して要求される基本的機能として，指定形状基板を実現するレイアウトを求めることがある．プリント基板設計は通常多層で行われており，全ての層を指定形状内で設計することが最終的に求められる．当研究室では，矩形双対モデルに基づくプリント基板設計手法を提案してきた．この手法は，配線可能性を保証した部品配置を与えるという特徴を有する反面，無駄領域の発生や基板形状のコントロールに改善の余地を残していた．また，これまでの提案手法ではそれぞれの処理段階で各層の最適設計を目標としているが，最終的に指定形状基板を実現する多層設計が実現できていない．そこで本稿では，指定形状の多層基板設計を可能とするプリント基板設計手法を提案する．具体的には，PTPグラフとよばれる平面グラフに着目して指定形状基板を実現するための矩形双対グラフの構成法の提案である．さらに，提案手法を計算機上に実装し，実験結果に基づいて性能の比較評価を行なう．