サーバ連携による宅内通信機器自動設定方式の提案

摘要

xDSL (x Digital Subscriber Line)インターネット接続のために導入されるホームネットワークはxDSLモデム，ブロードバンドルータ，PCなどの宅内通信機器から構成される．接続の際には，これら複数の多様な通信機器に対し，IP (Internet Protocol)アドレスをはじめとする構成情報の値とともに，e-mail，VoIP (Voice over IP)，ならびに無線LANなど，通信応用や利用者個人に応じた構成情報の値の設定が必要になる．また，モデムファームウェアや無線LANカードドライバなど，これらソフトウェアを最新に更新した上で設定する必要がある．一方，インターネットの接続や設定，ソフトウェア更新には，これに関する知識や経験が必要であり，知識や経験のない利用者にとって利用に至るまでの妨げとなる．そこで本稿では，サーバ連携による宅内通信機器自動設定方式を新たに提案する．また，提案方式の有効性を評価するためのシステムを実装し，その一部を自動設定ツールとして一般利用者へ試行提供する．自動設定ツールは複数の多様な宅内通信機器や通信応用に対して40余りの構成情報を15分半で自動設定する．また試行提供では新規利用者数に対する技術問合せ数の割合を14.9％から8.2％に減少し，インターネットの接続，設定を簡便にする．