気泡援用超音波加熱における焦点領域からの散乱超音波信号解析による加熱凝固領域制御に関する研究

摘要

強力集束超音波（High-Intensity Focused Ultrasound，HIFU）治療は体外から体内の患部に向けて集束超音波を照射することで，がんなどを局所的に加熱凝固させて治療する低侵襲な治療法である．近年，治療の高効率化の為にキャビテーション気泡を援用する手法が提案されている．治療の安全性や正確性の向上にはHIFU照射の度に患部に対しての熱投与量を調節する必要がある．本研究では気泡援用HIFU治療において，微小気泡を含んだ領域からの治療用超音波散乱信号の加熱に伴う変化を解析することで，治療用超音波照射時間に対して制御を加え，凝固の長さを比較することで制御の有用性を検討した．その結果，凝固のばらつきを抑えることが出来，再現性よく加熱凝固させることが出来る可能性が示唆された．