生理学

摘要

生理学とは，生化学や免疫学の知識をもとにした組織 および臓器の機能を，生体の恒常性維持機構としてまと めた学問である。正常な臓器機能は，先天的'生物的（微 生物）?物理的（低温，高熱や外傷など）?化学的（化学 物質への曝露など）要因により，低下?消失することが ある。ときに，生体機能の恒常性までもが喪失した状態 が疾病であり，疾病に罹患したときの生理学が病態生理 学である。生理学の知識は薬理学，薬物動態学の理解に 不可欠であり，さらに，病態生理学により疾病の症状， 検査所見，治療薬の選択が理解できるのである。した がつて，医療の現場で病態生理学を含めた生理学が薬剤 師の業務にどのように役立っているのか，あるいは役立 てることができるのかを考える際には，生理学を薬理作 用や薬物動態，疾病を理解するための基礎知識として捉えなければならない。